アメリカに亡命した二人のロシア人、ピョートル・ワイリ、アレクサンドル・ゲニスの名著「亡命ロシア料理」。料理はその国の文化だ。しゃれたセンスでシニカルにアメリカやヨーロッパの文化を批判しつつ、ロシア料理のレシピを語る。「友の手料理を食べれば、医者や弁護士、心理分析医みんなを一からげにして聞くよりもその人となりがなりがよくわかる。食べ物は、人間の最も秘めた部分を明かす。」日本語訳も優れていてその語り口がなんとも素晴らしい!レシピはおおざっぱだが、その美意識と味覚にすっかりはまっています。

 

 

 

今、一番気に入っているメニュー。
「帰れ、鶏肉へ!」より。
「鶏肉の大きなかたまりと乱切りにしたタマネギを用意する(鶏肉400gにつきタマネギ中2個)。鍋の底にバターに小さなかけら、月桂樹の葉、粒胡椒、鶏肉、タマネギを入れる。水は一滴もいらない!塩を振り、弱火にかけて、その場を離れる。
掃除なり、愛なり、独学などに精をだせばいい。台所にいなくったってすべてはうまくいくのだから。一時間半程たてば、汁の滴る素晴らしい料理ができあがる。・・・」
そして、サワークリーム、トマトソース、キノコのソースといろんなバリエーションでこの料理をいただくのだが、素晴らしくおいしい!
さて1時間半、私は何に精を出してみなさんにご提供しようかな。