食道楽

■食道楽を聴いて食べる会での復元メニュー

◆春の巻 昼の部(デザート)
春の巻 昼の部(デザート) 2011年7月

*梅ジュース (食道楽 下 季節の飲物より)
*葛練り(食道楽 上 夏向き料理より)
*林檎の淡雪・林檎と米の雪
「一つ遣ってみ給え、その淡雪は口に入れると溶けるぜ」(食道楽 上 廃物利用 下 米料理百種より)
*糠のカステラ
「このカステラは糠がまざっていますから、からだにも薬ですし、味もかなりに結構です」(食道楽の献立 自然食指南 糠料理より)
*赤茄子の羊羹
「赤茄子のジャムは売り物にありませんからお家でたくさん拵えておおきなさいまし」(食道楽 下 赤茄子ジャムより)
*炭ビスケ
「炭ビスケは必ず珈琲の副物になっています」「あんまり美味しいと申す方ではありませんが西洋人は薬だ薬だといって折々食べます。」「珈琲を飲まない人でも夏は一月に二、三度位極少しの炭ビスケを食べると腹中の掃除が出来ます。」(食道楽 上 夏の食物より)
*あくとりコーヒー
「今日のは味が格別ですね」「レモンを一滴ほど滴らしてあります」
*玄米茶 
「また夏・冬にかわまず玄米茶というものをこしらえておきます。・・・これは食事のときも間食のときも用いますが、二番がよくきいて徳用なものです」(食道楽の献立 自然食指南 玄米料理より)
◆春の巻 夜の部(食事)

春の巻 夜の部(食事) 2011年7月

*紫蘇ジュース (食道楽 下 暑中の飲物より)

*豚の角煮 
「その四角な大きな肉を試してみたまえ、箸で自由にちぎれるよ。それが長崎有名の角煮といって豚料理の第一等、非常に美味いものだ」(食道楽 上 門違いより)
*米のコロッケー
「上等にするとお米から牛乳で煮ますが手軽にすれば炊いてあるご飯を大匙五杯だけ牛乳一合の中へ入れて弱火で気長に煮ます」(食道楽 下 米料理百種より)

*茄子の揚げ煮
「茄子をいったん油で揚げ味よき煮汁へ唐辛子を加えて煮る」 ( 食道楽の献立 7 月 14 日の献立より)

*蕗と蒟蒻の白和え
「これは蕗と蒟蒻の白和えで、両方とも 別々に湯煮て別々に味をつけて炒った白胡麻を擂鉢で 摺 って 別に笊でお豆腐の水を切っておいてそれをその中へ摺り交ぜて白味噌を少々加え て蕗と蒟蒻を和えたものです」 ( 食道楽 上 ご熱心より)

*赤茄子の三杯酢
「赤茄子(トマト)をゆで指で薄皮を剥き薄く切り酢醤油へ砂糖を加えてかける。味よろし」(食道楽の献立 8月5日の献立より)

*紫蘇飯
「先ず青紫蘇を塩水で洗って日に干してパリパリに乾かしておきます。別にただのご飯へ塩味を付けて炊いて火を引く時今の紫蘇を手で揉んだものを早く釜の中へ入れてお櫃へ移す時杓子でよく混ぜます」(食道楽 下 米料理百種より)
*胡瓜の糠漬
「胡瓜を糠味噌に漬ける時蔓の方の切口を糠味噌の上面とすれすれにして直線に下に押し込んで立てるようにしておくと苦味が切口から抜けてしまって苦くないそうですね」(食道楽 上 胡瓜と茄子より)
*炭ビスケ
「炭ビスケは必ず珈琲の副物になっています」「あんまり美味しいと申す方ではありませんが西洋人は薬だ薬だといって折々食べます」「珈琲を飲まない人でも夏は一月に二、三度位極少しの炭ビスケを食べると腹中の掃除が出来ます」(食道楽 上 夏の食物より)
*あくとりコーヒー
「今日のは味が格別ですね」「レモンを一滴ほど滴らしてあります」
*玄米茶
「また夏・冬にかわまず玄米茶というものをこしらえておきます。・・・これは食事のときも間食のときも用いますが、二番がよくきいて徳用なものです」(食道楽の献立 自然食指南 玄米料理より)

◆夏の巻 食事とデザート
夏の巻、食事とデザート 2012年9月

*レモネード
「クエン酸半グラムを砂糖水に溶かし、レモン油一滴を加え冷やし置く」(食道楽の献立 8月7日の献立より)
*豚の刺身
「この刺身のようになっているのも大層美味いがこれはどうしたのだ」(食道楽 上 豚の刺身より)
*烏賊飯
「最初に烏賊の袋だけ取って中をよく洗ってお米を好い加減に詰めて口を木綿糸で縫いますがお米が中で膨れますからその詰め加減が工合ものです」(食道楽 下 米料理百種より)
*冬瓜の胡麻酢和え
「冬瓜はあんまり味のないものですから・・・湯煮たのを胡麻酢で和えてもようございます」(食道楽 下 野菜の煮物より)
*牛蒡の天麩羅
「細いのはそのままで太いのは四つ切にして一旦お醤油と味醂とお砂糖でよく柔に煮て米利堅粉へ玉子を交ぜた衣を拵えて天麩羅に致します」(食道楽 上 玉子料理より)
*蓮根の肉詰め物
「肉挽機械で挽いたのかあるいは俎板の上で細かく叩いたのと玉子の黄身と玉ねぎと、パンの水へ漬けて絞ったのかあるいはジャガ芋の湯煮たのとを交ぜて塩胡椒で味をつけて・・・」(食道楽 上 玉子料理より)
*茄子と胡瓜のソース煮
「バターでメリケン粉を炒めてスープと牛乳と塩胡椒と少しの西洋酢を入れたソースを拵えて一度湯煮てある茄子を柔らかく煮る。前の通りのソースで別にゆでた胡瓜を煮る」(食道楽 上 胡瓜と茄子より)
*梅干しの煮物
「三度ほどもよく湯煮漏して味淋とお砂糖と鰹節を沢山入れて三時間位よく煮詰めるのです」(食道楽 上 水道の水より)
*五目鮨
「お寿司は炊き立ての熱い御飯へ酢と塩と極く少々のお砂糖を交ぜて振かけて団扇で扇ぎながら掻き混ぜなければ美味しくなりません」(食道楽 上 五目鮨より)
*お米のブラマンジ・無花果の酢煮ソース
「一合のお米を五合余りの牛乳で気長に二時間余も煮ると柔くなります。その中へ砂糖大匙五杯とワニラかレモン香料少しとを入れてよくかき混ぜてまた弱火で二〇分ほど煮るとお粥の固い位になります」(食道楽 下 米料理百種・季節の食物より)
*蕎麦のケーキ
「蕎麦粉十杯に饂飩粉五杯の炭酸曹達を匙へ七分目入れて玉子の黄身三つと砂糖五杯と牛乳とで捏ねますが牛乳がなければ水でも構いません」(食道楽 下 ビスケットより)
◆秋の巻 昼の部(デザート)
秋の巻 昼の部(デザート)2012年1月

*しょうが湯(食道楽 下 季節料理より)
*バターケーキ
「お茶の時出しますのはテーケーキの外にバターケーキが味も美味しくてようございます。・・・・これはカステラより少し重うございますけれども味はカステラより美味しゅうございます。その代わりバターの上等を晒して使わなければいけません」(食道楽 下 お茶菓子より)
*煮林檎
「林檎一斤の皮を剥いて心を除って一つを一つを四つ切りにして直ぐ水の中に放します。水へ入れずにおくと林檎のアクで白が赤くなります。それを大匙二杯の砂糖と大匙一杯の水で二十分間煮ます」(食道楽 下 林檎のパイより)
*バナナアイスクリーム
「アイスクリームと申すからには新鮮なクリームがはいらなければならんのです。まず普通のところでは玉子の黄身二つと砂糖二杯と一合の牛乳とを混ぜて湯煎にして火から卸した時一合のクリームとレモン油か何か外の香料を加えて固めます。それを上等にしますと二合のクリームばかりへ・・・これには玉子も牛乳も入れません。・・・バナナは生のまま裏濾しをしてもできます」(食道楽 下 上等の品物より)
*ジンジャービスケット
「ジンジャービスケットは玉子三個、砂糖四杯、バター大匙三杯、を能く掻混ぜ生姜粉大匙一杯半、メリケン粉大匙十杯、ベーキングパウダー茶匙二杯、モラッセ即ち砂糖蜜大匙四杯を加えて能く混ぜ牛乳を入れて好い加減にこね延ばし前法の如く焼くなり」(食道楽 下 ビスケットより)
*あくとりコーヒー
「これは色が薄くって味が濃くっ大層妙ですな」「それは玉子の卵白でアクを除りましたのです」「ヘイ随分贅沢な珈琲ですな」「贅沢なようで贅沢でありません。外のことで玉子を割りますとその殻をそっくり保存っておきます。殻の中へいくらかずつ白みが残っていますから空気に触れないようにしておくと固まりません。珈琲を煎じる時一人前にその殻を二つか三つも交ぜよく砕いて掻回しますと珈琲のカクがすっかりその殻についてしまって漉さずに茶碗に注いでも黒い粉がでません。第一味が淡泊になって結構です」
*玄米茶
「また夏・冬にかわまず玄米茶というものをこしらえておきます。・・・これは食事のときも間食のときも用いますが、二番がよくきいて徳用なものです」(食道楽の献立 自然食指南 玄米料理より)
◆秋の巻 夜の部(食事)
秋の巻 夜の部(食事)2012年1月

*しょうが湯
*鶏のフルカセー(食道楽 付録 病人の食物調理法より)
「三百目位の雛鳥の肉を骨とともにボツボツ切ってもあるいは五つに捌いたままでもようございますがそれを塩湯で一時間ほど湯煮ます。別にバター一杯へメリケン粉一杯をいためて牛乳一合を注して塩味をつけた白ソースを拵えて別に湯煮てある玉葱を二つ三つ入れて三十分間煮ます」(食道楽 下 季節の料理より)
*米のフライ
「焚きたてのご飯を箱に入れて上から圧しを置くと箱鮨のように固まりますからそれを好い加減に切って玉子と米利加堅粉と塩と砂糖で製した衣をかけて油で揚げるとお米のフライができます。」(食道楽 上 米料理より)
*薩摩芋の西洋料理
「湯煮たお芋を輪切りにしてペシン皿かあるいは丼鉢の底へ一側並べてその上にバター大匙一杯に砂糖を大匙一杯に塩胡椒を好いほどにかけてまたお芋を一側並べてまたバターやお砂糖を・・・つまり三段にして一番上へバターを沢山載せてブリキ皿へ入れて天火の中で強い加減の火で焼きます。・・・これはなかなか美味しいご馳走です」 (食道楽 下 薩摩芋より)
*サラダロアイヤル
「続いて出でたるサラダロアイヤルは林檎とセロリ―の細かく切りたるを上等のマイナイソースにて和えたるもの」「マイナイソースは上等にすると先ず三人前なら玉子一つを固く湯煮て黄身ばかりを裏濾しにして生玉子の黄身一つを混ぜて芥子を小匙に一杯、塩を小匙に半杯、砂糖を小匙に半杯、胡椒を少しとそれだけ加えてよく練り交ぜてサラダ油をホンの極く少しずつ注いで行って大匙三杯だけ加えて西洋酢を一杯入れてよく混ぜるのです。(食道楽 下 琴一曲より)
*蓮根の梅干和
「その蓮根の梅干和を召し上がってください」「これもやっぱり薩摩芋の梅干和を衣にして蓮根の煮たのを交ぜたのですか。蓮根が大層白くって綺麗ですね」「それは蓮根の白煮といってお米を磨いだ白水で湯煮るのです。その時木で押えておかないと、白水の外へ出たところが黒くなります。湯煮た蓮根を塩とお砂糖で煮たのです」(食道楽 上 軽い鍋より)
*牛肉の味噌吸物
「これは普通の落し味噌のように、鰹節の出しを沢山取って、それへ三州岡崎の八丁味噌を落して実には牛の赤肉と米利堅と玉子の白身をよく叩き交ぜてお団子にしたものを入れてありますが、牛肉は清まし汁へ入れるよりも味噌汁へ入れた方が良い様ですね」(食道楽 上 軽い鍋より)
*茶碗鮨
「これは先ず西洋料理のライスカレーに似たようなものさ。胃を刺激して食慾を進めるから秋の料理といっていい。これには鮪の身の極く上等でないといかん。羊羹のような上肉ばかりに限るのだ。その鮪を買って来て小さく四角に即ちサイの目に切っておく。別に醤油一杯と味醂一杯と酢一杯とを三等分にしてよく煮詰めて火から卸した時鮪の身を入れると鮪の端が少し白くなる。それへ山葵をなるたけ沢山入れて攪き廻すのだ。よくこの料理を泣く御飯といって山葵が辛いので泣きながら食べるといった位なものだ」(食道楽 下 茶碗鮨より)
*ジンジャービスケット(下 ビスケットより)
◆冬の巻 食事とデザート
冬の巻 食事とデザート 2012年2月

*はちみつ柚子ジュース(食道楽 上 季節の飲み物より)
*牛すね肉の山葵ソース(食道楽 下 下等肉・献立より)
「牛肉のブリスケを大切れの儘塩湯で三時間ゆでてうすく切り山葵ソースをかけると味宜し」(食道楽 下 下等肉・献立より)
*大根のフロフキ
「お登和さんに大根を柔に煮る法を教わりましたから湯煮て湧上った時塩を少し入れましたから大層早くできました」(食道楽 上 田毎豆腐より)
*蕗味噌
「先ず蕗の薹を湯煮ておきまして全体なら白胡麻ですが私どもでは胡麻の代わりに南京豆をすり鉢でよく摺って味噌を交ぜてお砂糖で味をつけてそのつ中へ蕗の薹を入れて鍋でよく煮たのです。一度拵えると十日位持ちますから世話がありません。苦いものは胃のお薬だそうですね」 (食道楽 上 田毎豆腐より)
*独活と人参の酢煮
「独活を一寸ばかりの長さに切って、一度湯煮漏して塩とお砂糖と味醂と酢とでよく柔かになるまで煮たのです」「人参を極く薄く短冊形に切って酢と味醂と砂糖と塩でよく煮たのです。」(食道楽 上 岡目八目・田毎豆腐より)
*鶏のアイルシチュー
「スープの中へ鶏の生肉をいれてジャガ芋と玉葱を加えて塩味をつけて一時間煮た後ジャガ芋を半分裏漉しにして混ぜたものです」(食道楽 下 病人の食物調理法より)
*野菜サラダ フランチソース
「それから野菜ばかりのサラダになるとフランチソースで和えるお料理もあります。それは塩を小匙に軽く一杯、胡椒少しと砂糖を小匙半、その三つを鉢に入れて先ず大匙一杯のサラダ油を加えてよくよく気長に溶き混ぜます。よっぽどよく混ぜないといけません。それがよく混ざったら今度は西洋酢を大匙に半杯ほど加えてよく混ぜますがこれもよくよく混ぜないと酢と油がよく混ざりません。それが出来たら今度はまたサラダ油を一杯混ぜてまた酢を半杯という風に都合サラダ油を三杯酢を二杯の割で幾度にも混ぜます」(食道楽 下 ライスカレーより)
*ペラオ飯
「米を二合先ずバターでよくいためて、今のブリスケを湯煮た汁がありますからその汁三合へ塩で味を付けて今のお米と人参や玉葱の小さく刻んだのと一緒に入れてご飯のように炊きます」(食道楽 下 ぺラオ飯より)
*トースプデン
「パンを二分くらいの厚さに切ってそれを二片だけ端の固い処を切り捨ててまた二つづつに切ってペシン皿へ並べます。その上からカスタープデンの原料を注いで二十分そのまま置いて例の通りに焼きます」(食道楽 下 ペラオ飯より)
*ひき茶の羊羹
「長薯のゆでたるを裏漉しにし塩を砂糖で味付け、ひき茶をいれてよくすり交ぜ寒天にて固める」(食道楽 上 世の流行より)